(他の保険医療機関に対して検体の採取以外の業務を委託して実施する保険医療機関) 担当診療科:小児科
急性リンパ性白血病の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定


対象
 
 現時点では、当院小児科で治療を受ける急性リンパ性白血病(ALL)の患者さんが対象となります。将来的には、当院小児科で治療を受ける悪性リンパ腫の患者さんのうち、初発時に骨髄浸潤を認めるリンパ芽球性リンパ腫とバーキットリンパ腫の患者さんも対象となる可能性があります。
 
注: 小児科で治療を受ける若年成人のALL患者さんも対象となりますが、それ以外の成人患者さんは対象外です。


解説
 
 小児のALLでは、治りやすいタイプの患者さんには副作用の軽い治療が、治りにくいタイプの患者さんには、ある程度の副作用を覚悟で強い治療が行われます(層別化治療)。治りやすさ・治りにくさに関わる要因(予後因子)はいくつかありますが、最初の治療の効き具合(初期治療反応性)が非常に重要な予後因子のひとつであることが知られています。従来、初期治療反応性は、顕微鏡で骨髄細胞を観察し、白血病細胞がどれくらい減ったかということで評価されていました。白血病細胞が5%未満にまで減っていれば良く効いた(完全寛解)と判定され、小児のALLでは、95%以上の患者さんが、最初の約1か月の治療により完全寛解に到達します。ところが最近、もっと詳しい方法を使って調べると、同じ完全寛解の患者さんでも、白血病細胞が1%近く残っている人から0.001%未満にまで減っている人まで様々であり、しかもこの残っている白血病細胞の量が患者さんの予後と相関していることが分かってきました。この詳しい方法でようやく検出できる、少しだけ残っている白血病細胞のことを微小残存病変(minimal residual disease: MRD)といいます(図のピンクの範囲)。MRDの測定方法にはいくつかありますが、今回は、個々の患者さんの白血病細胞に固有の免疫遺伝子の違いを目印にして、定量的PCRという方法を用いて測定します。治療開始から約1か月後と3か月後の2回、MRDを測定し、その量に応じて層別化治療が行われます。この方法を用いることにより、治りやすい患者さんが強い治療を受けて重い副作用に苦しんだり、治りにくい患者さんが弱い治療を受けて再発してしまったりすることを回避できるようになり、患者さんひとりひとりの状態に応じた適切な治療が行われるようになることが期待されます。

 





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