超音波骨折治療法について     担当診療科:整形外科

1. この先進医療の目的
 骨折の治療は、折れた骨を元の正しい位置に戻す「整復」と、その位置を保つように金属材料など止める「固定」が基本であり、整復・固定をした後は身体の細胞が新しく骨を作り直す自然治癒力に任せるのが通常です。後療法というのは周辺の関節運動などが主であり、骨癒合そのものを促進する方法はほとんどありませんでした。
 しかし近年、骨折部に微弱な超音波パルスを照射することによって、骨癒合が促進されることがわかりました。科学的に厳密な方法で臨床研究した結果、脛骨(すねの骨)や橈骨(手首の骨)の骨折の治癒期間が約40%も短縮されることがわかりました。この「超音波骨折治療法」は、従来の基本的な骨折治療を行った後で、上乗せとして骨折治癒期間を短縮するために行う医療技術です。

【超音波の伝達イメージ】

2. この先進医療の実際
【超音波骨折治療器】
 この治療は、すでに医療機器として承認されている「超音波骨折治療器」を用いて行います。骨折手術後、骨折部に正確に超音波照射ができるように、皮膚上に照射位置をマーキングします。次いで治療器の治療ヘッド部分に伝導用ゼリーを乗せ、照射部にヘッドが正しく当たるよう固定し、治療器のスイッチをいれると、20分間超音波が照射され、自動的に電源が切れます。治療器は患者さん一人に一台レンタルですので、入院中のみならず退院後も自宅で治療を継続できます。
3. 期待される効果
 従来、骨癒合過程を促進する医療技術はありませんでしたが、超音波骨折治療法を骨折の手術後に追加することにより、通常よりも40%程度、骨癒合までの期間が短くなることが期待され、遷延癒合になる可能性を低減することが期待されます。
 なお、骨折の治癒期間は、骨折部や周辺組織の損傷程度、全身状態(喫煙など)によって長引いたり、時には骨癒合が得られないこともあります。骨折の状態により、本治療法で促進した場合でも、そのようなケースが起こりうることをご理解下さい。

4. 治療に要する保険外費用
 今回使用する医療は保険適用となっておりません。(骨折後3ヶ月以上経過して治癒が通常より遅い「難治性骨折」は保険が効きますが、手術後すぐに使用する場合は、保険は認められていません。) この先進医療を行うために、保険による手術費用のほかに先進医療費が請求されます。その額は現在 15万円となっています。

【保険適用範囲】


 
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