研究者詳細：飛澤 悠葵
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■プロフィール 飛澤 悠葵 ■経歴 【平成17年3月】 静岡県立大学 薬学部 薬学科 卒業 【平成19年3月】 静岡県立大学大学院 薬学研究科 薬学専攻 博士前期課程 修了 【平成22年3月】 静岡県立大学大学院 薬学研究科 薬学専攻 博士後期課程 修了 【平成22年4月】 Sanford-Burnham Medical Research Institute (CA, U.S.A) ポスドク 【平成23年7月】 弘前大学大学院 医学研究科 先進移植再生医学講座 奨励研究員 【平成24年4月】 現職 ■研究分野 糖鎖生物学、移植医学、腫瘍学 |
■研究テーマ
脂肪幹細胞を用いた組織再生と移植免疫における制御機構の解析
■研究概要
人工多能性幹細胞 (iPS) 細胞の開発により現在再生医学に注目が集まってきている。これまで研究に利用してきた脂肪幹細胞は、間葉幹細胞であり平滑筋や血管内皮等への分化能を持つことが知られ、再生医療への応用が期待されてきた。脂肪幹細胞は自身の皮下脂肪から大量に採取可能であり、免疫による不適合を生じないことから有用なツールであると考えられる。
現在、日本では透析患者の数が年々増加傾向にあり、腎移植の頻度も高まってきているが、血液型不適合、HLAクラスの不適合により慢性的に臓器不足となっている。そこで、腎組織の機能回復および腎移植時の免疫制御における脂肪幹細胞の有用性に着目し研究を行っている。
＜着任以前＞
◎原著論文
・Tobisawa Y, Maruyama T, Tanikawa T, Nakanishi K, Kurohane K, Imai Y. Establishment of Recombinant Hybrid-IgG/IgA Immunoglobulin Specific for Shiga Toxin. Scand J Immunol. (2011) 74:574-84
・Tobisawa Y, Imai Y, Fukuda M, Kawashima H. Sulfation of colonic mucins by N-acetylglucosamine- 6-O-sulfotransferase-2 and its protective function in experimental colitis in mice. J Biol Chem. (2010) 285:6750-60
・Kawashima H, Hirakawa J, Tobisawa Y, Fukuda M, Saga Y. Conditional gene targeting in mouse high endothelial venules. J Immunol. (2009) 182:5461-8
・Maruyama T, Iizuka H, Tobisawa Y, Shiba T, Matsuda T, Kurohane K, Imai Y. Influence of local treatments with capsaicin or allyl isothiocyanate in the sensitization phase of a fluorescein-isothiocyanate-induced contact sensitivity model. Int Arch Allergy Immunol. (2007) 143:144-54
＜２４年度＞
◎研究進捗状況
移植再生応用に向けた間葉系幹細胞の一つである脂肪幹細胞の有用性を探るため、脂肪幹細胞が発現するサイトカインに注目し研究を行った。脂肪幹細胞は、IGF-1、VEGF-Aなど血管新生および細胞増殖を促すサイトカインを産生していることを確認した。また、名古屋大学医学部泌尿器科 (教授：後藤百万、准教授：山本徳則) との共同研究により、マンノースが脂肪幹細胞の活性化および周囲の血流改善に効果を示すことを見出し、特許を共同出願した。
間葉系幹細胞は骨髄由来のものと現在注目している脂肪由来の細胞があり、前者はすでに免疫機構に影響を及ぼすことが報告されてきた。現所属の医学研究科泌尿器科学講座 (教授：大山 力) では、癌細胞表面上の糖タンパク質の糖鎖修飾変化により癌細胞が宿主の免疫細胞から逃避する機構を解明しており (Tsuboi S, et al., EMBO J 2011)、間葉系幹細胞の糖鎖修飾が免疫機構に影響を及ぼしている可能性を考え、現在移植免疫に対する有用性を検討している。
◎獲得資金
・科学研究費助成事業（若手研究B）
研究題目：Ｏ‐グリカンを標的とした泌尿器癌悪性度マーカーの開発
◎原著論文
・Yoneyama T, Hatakeyama S, Tobisawa Y, Yamamoto H, Imanishi K, Okamoto T, Tokui N, Sugiyama N, Suzuki Y, Kudo S, Yoneyama T, Hashimoto Y, Koie T, Kamimura N, Fukuda MN, Ohyama C.：Blood Group Antigen-Targeting Peptide Suppresses Anti-Blood Group Antibody Binding to Antigen in Renal Glomerular Capillaries After ABO-Incompatible Blood Reperfusion. Transplantation. 2013 Feb 15;95(3):418-25.
・米山高弘，佐藤天童，藤田尚紀，小島由太，三上穣太郎，福士 謙，岩村大径，村澤洋美，飛澤悠葵，米山 徹，岡本亜希子，山本勇人，今井 篤，畠山真吾，盛 和行，橋本安弘，古家琢也，大山 力：当科における整体腎移植ドナー腎再手術の検討．腎移植・血管外科 2012年 24(1)：9-13．
・盛 和行，米山 徹，飛澤悠葵，鈴木裕一朗，杉山尚樹，岡本亜希子，山本勇人，今井 篤，立和田得志，畠山真吾，米山高弘，橋本安弘，古家琢也，中川昌之，大山 力：BCG細胞膜成分PIMによる生菌およびナノパーティクルBCG無効株に対する直接効果．泌尿器外科 2013.3.15 26（3）：292-3．
◎口頭発表
・Tobisawa Y, Yoneyama T, Hatakeyama S, Yamamoto H, Koie T, Yoneyama T, Okamoto T, Kamimura N, Ohyama C：Expression of core 2 β - 1, 6 – N - acetylglucosaminyltransferase is an independent risk factor for PSA recurrence after radical prostatectomy and closely associated with aggressive potential. Glycobiology Meeting 2012 平成24年11月11-14日 サンディエゴ
・Hatakeyama S, Tsusihma M, Amano M, Yoneyama T, Tobisawa Y, Nishimura S, Ohyama C：Serum N-glycan profiling has potential to predict cardiovascular disease (CVD) event and prognosis in hemodialysis (HD) patients. Glycobiology Meeting 2012 平成24年11月11-14日 サンディエゴ