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弘前大学大学院医学研究科腫瘍内科学講座 || 外来化学療法室
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外来化学療法室
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外来化学療法室の紹介

2002年4月より外来にてがん化学療法を施行する患者について、専用治療室を設けること、プロトコールの審査委員会を設けること、そして専任看護師,薬剤師の配置を要件に500点の外来化学療法加算の算定が認められている。その背景は一般に、

  1. EBMに基づくがん化学療法が標準化され、効果と治療の限界,副作用の点でもプロフィールが明確化したこと、
  2. G-CSF,広域スペクトル抗生剤、制吐剤などの支持療法が拡充したこと、
  3. 安全な外来向けプロトコールが次々開発されたこと、
  4. 診療報酬の包括化や入院期間短縮が経営的に望まれること、
  5. Performance statusのよい患者についてQOLは通院加療するほうが高いこと

など種々の要因があるが、がん化学療法が外来化する傾向は当院も例外ではない。そこで、2004年10月から外来でのがん化学療法をより安全に患者に提供することを目的に外来化学療法室を開室した。開室3年に約300件/月であった依頼件数は、開室6年が経過した2011年3月では、約500件/月以上の施行依頼を受け、外来において算定要件を満たす患者の約95%が当室を利用するに至っている。

 

外来化学療法室の運用

外来化学療法室は、リクライニングシート7床とベッド6床の計13床の治療ブースを有し、安全キャビネットとがん化学療法に要求される薬剤業務に適応するため、薬品在庫やインタビューフォームなどの薬品情報、業務端末などサテライト薬局としての機能をもたせている。2008年には、プロトコール委員会が設立され、プロトコールの整備が行われた(現在、登録プロトコール数は、約230となっている)。これにより、プロトコール毎の支持療法の統一、薬剤毎の補液や投与時間の統一がなされたことで業務効率が大きく改善された。外来注射処方が電子化されていない当院では当室で実施する化学療法も手書きとなるが、提出されたあるいは診療科によって'慣習化されたプロトコールを基に抗がん剤の投与量以外の薬剤名や輸液、投与時間などをあらかじめ印刷し、おおむね1クールを横断的に網羅する4回の指示が可能な指示票を作成している。医師からは記載の手間や誤記がないと好評で、指示を受ける薬剤師,看護師としても疑義を減少できるものである。さらにサテライトの利点を生かし、薬剤師が調製した薬剤を血管確保する医師、看護師と現場にいる他職種にチェック体制によって安全'性を確保している。最近では、内服抗がん剤と注射抗がん剤の併用療法などプロトコールが複雑化してきているため、薬剤師による内服薬剤のチェックも行われている。

 

患者評価と満足度の高い治療提供へ

ISO9001を取得している当院では、診療の評価に顧客である患者評価が必要不可欠である。開室後10か月後に行った患者アンケートでは、当初リクライニングシートやテレビなどアメニテイの充実が当室利用の評価につながると予想したが、結果は常駐する看護師や薬剤師に気軽に質問や相談できるという患者接遇によるものが多い結果であった(文献1)。更にアンケート調査において「病気や治療について調べたことがあるか、また情報は何から得たか」という質問に対して、患者の51%が調べたことがあると答えた。情報源が「本や雑誌」が23%、「家族や知人の体験談」が43%、「インターネット」からは34%という結果を見ると、医学的根拠の乏しい情報や不適切な健康食品サイトに行きつく可能性もあるといえる。医師、看護師、薬剤師が患者に対しての的確な情報提をおこなわなければならない。2010年には、がん診療連携支援室が開設され生活面や金銭面での相談を受けることができるようになっている。

また、外来での化学療法は感染対策など患者の自己管理が肝要であるが,実施件数の増大に伴い患者指導の質や量の低下、プライバシーへの配慮をいかに確保するかが課題である。患者のセルフケアが必須であるとともに、患者満足度の高い治療提供には患者の求める情報を的確に提供する必要がある。 特に初回治療の際に十分な患者指導を行う必要があり、患者のリソースとなるためには、相談してもらえるような関係の構築も重要である。そこで、看護師による在宅における注意点の情報提供や薬剤師による薬剤の副作用説明をおこなっている。外来化学療法室では治療初回の患者に対してパンフレットを使用しながらの副作用説明を実施している。さらに、来室されたすべての患者へ当日の検査値(白血球数、好中球数、ヘモグロビン値、血小板数)と使用薬剤をシールに印刷して渡している。検査値を伝えながら、患者指導することは患者教育にもつながり有用である(文献2)。また、職種間の情報共有のため看護師と薬剤師が共に参照できる看護記録を作成している。医師、看護師、薬剤師の情報共有を積極的におこないながら患者をフォローすることは、安全な治療へ大きく貢献できる。

 
  1. 佐藤淳也, 藤田祥子, 菅原和信, 泉谷清香, 玉井佳子, 佐々木睦男: 外来化学療法室における薬剤師・看護師の活動と患者満足度の調査.日病院薬剤師会誌 42(3): 359-362, 2006
  2. 照井 一史,佐藤 淳也,玉田 麻利子早狩 誠: 外来がん化学療法における薬・薬連携構築に向けた実態調査と取り組み. 日本病院薬剤師会雑誌, 44(3) : 424-427, 2008.
   
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