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研究内容
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間葉系幹細胞研究 間葉系幹細胞研究

間葉系幹細胞は骨髄細胞を培養することにより比較的簡便に増やすことができます。この細胞は骨や脂肪組織へ分化するほかに、傷害組織の修復を促進することが判ってきました。
間葉系幹細胞を用いた治療研究と、がん増殖における間葉系幹細胞の役割を研究しています。

① 間葉系幹細胞を用いた多発肺転移巣に対する細胞遺伝子治療開発

主にアデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療の開発研究を、マウスモデルを用いて行ってきました。今までのがん遺伝子治療は、腫瘍に直接投与するので、多発転移巣には無力です。そこで、この間葉系幹細胞に抗腫瘍効果を発揮する遺伝子を組み込んで、多発肺転移を持つマウスにこの遺伝子導入間葉系幹細胞を静脈や気道内に投与することにより、肺転移巣の縮小に成功しました(Stem Cells 2007, Cancer Gene Ther 2007)。

間葉系幹細胞研究 間葉系幹細胞研究 間葉系幹細胞研究
肺転移巣に集まった間葉系幹細胞(赤) 無治療群 治療群

② 間葉系幹細胞を用いた肺再生研究

間葉系幹細胞は骨や脂肪組織へ分化するほかに、傷害組織の修復を促進することが判ってきました。現在、この間葉系幹細胞を用いて、エラスターゼ誘導肺気腫モデルの治療研究を行い、有望な結果を得つつあります。

傷害肺に遊走した
間葉系幹細胞(赤色)
エラスターゼ処理群 治療群

②  がん組織と間葉系幹細胞

間葉系幹細胞を用いたがん治療研究を行っているとき、間葉系癌細胞が癌細胞の増殖促進的に働くことを見出しました。また、間葉系幹細胞存在下では、癌細胞が抗がん剤に耐性を示すことがわかりました。いま、この機序について詳細に解析中です。
間葉系幹細胞(MSC)を混ぜてマウスの皮下に移植すると腫瘍の増大は促進される(ピンク)

肺がん幹細胞研究 肺がん幹細胞研究

現在、大腸がんをはじめとする固形腫瘍でがん幹細胞の存在が明らかとなっています。私たちは、他のがん腫の幹細胞マーカーであるCD133に注目しています。非小細胞肺癌細胞株19株におけるCD133の発現をFACSで評価したところ、ほぼ全細胞株に1~4%のCD133陽性細胞を認めました(図1RERF-LC-Ad2細胞、3.6%の陽性細胞を認める)。
我々は、PC-7細胞にGefitinib投与後の残存細胞におけるCD133陽性細胞の割合をFACSで検討したところ、著増していることを認め(図4)、他の報告同様に幹細胞の抗がん剤感受性の低下を確認しました。現在、CD133陽性肺がん幹細胞の研究を強力に進めています。

肺がん幹細胞研究

分子標的薬の肺がんに対する薬効評価 分子標的薬の肺がんに対する薬効評価

既に臨床に導入されているEGFRチロシンキナーゼ阻害剤gefitinibの効果とEGFR遺伝子変異の関連や、gefitinibによる肺障害の解析を進めています。

① gefitinbによる肺障害

私たちは世界で最初に、gefitinibによる肺障害を報告しました(Lancet 2003)。その後、肺障害の機序を、マウスを用いて解析してきましたが、肺胞タンパクであるSP-Aの発現低下の関与の可能性を見出しました(Cancer Science 2008)。肺癌細胞株PC-3にgefitinibを接触させると、SP-Aタンパクの発現が低下しました(下図)

分子標的薬の肺がんに対する薬効評価 分子標的薬の肺がんに対する薬効評価
PC-3(SP-Aが茶色に染色) gefitinib投与によりSP-A発現著明低下

② EGFR遺伝子変異陽性例におけるgefitinib感受性

EGFR遺伝子に変異を持つ患者でgefitinibがよく効くことが2004年報告されました。そこで、私たちは遺伝子検索をしてからgefitinibを投与する前向き試験を世界で最初に報告しました(J Clin Oncol 2006)。現在、EGFR遺伝子変異例に対する比較第III相試験を全国規模で展開中です。

遺伝子多型・DNAメチル化と消化器癌・悪性リンパ腫の臨床病理学的特徴についての研究 遺伝子多型・DNAメチル化と消化器癌・悪性リンパ腫の臨床病理学的特徴についての研究

患者様にご協力をいただき、文書による同意を得た後に遺伝子を採取し、各個人の遺伝子の変化と組織型、臨床病期や採血のデータなどとの関連を調べ、将来の新しい診断技術の向上につながるかどうか検討を行っています。大腸がんについてはいくつかのデータを出しています(JGastroenterol Hepatol 2006および同誌 2008 in press)。

抗癌剤薬剤耐性機序に関する細胞学的検討 抗癌剤薬剤耐性機序に関する細胞学的検討

抗癌剤は投与を継続していくうちに将来いつかは効かなくなります。癌細胞も自分たちが生き延びるために変化していくためで、これを耐性といいます。当科ではヒト培養癌細胞を用いて抗癌剤の代謝や分布に影響する遺伝子やタンパクを調べ、様々な薬剤との併用や遺伝子の働きを調節した状態での細胞毒性の変化について実験を行い、耐性機序を解明し、抗癌剤の効果を増強、または副作用を減弱させるための基礎的検討を行っております(Basic Clin Pharmacol Toxicol 2008)。

 
   
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