弘前大学大学院医学研究腫瘍内科学講座
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診療内容
 
 

胃がん

胃がん かつては日本人でもっとも多かったがんです。上部消化管内視鏡、胃透視、造影CT、大腸検査にて臨床病期を決定し、化学療法の適応を判断します。全国規模の臨床試験にも参加しています。
実地医療として化学療法を行う場合はベッド数の制限(10床)もあり、入院待ちが長くなる場合外来で化学療法を導入していますのでご理解下さいますようお願いいたします。

入院は化学療法を行う際の副作用の確認のために行うものであり、2回目の治療開始日まで特に大きな副作用が起きなければ退院し、外来化学療法室を利用した外来治療に移行します。使用する薬剤はティーエスワンカプセル内服に加えてシスプラチン、イリノテカン、ドセタキセル、パクリタキセルなどの点滴があります。化学療法のみで原発巣が制御困難の場合は、消化器内科で内視鏡的バルーン拡張術やステントを挿入したり、姑息的手術を消化器外科にお願いしたり、出血が多量の場合は放射線科にて腫瘍血管の塞栓術を施行していただくこともあります。また転移臓器が肝に限定される場合はリザーバーを用いた抗癌剤の肝動脈内注入を行う場合があります。 また最近、HER2陽性胃癌に対しハーセプチンが保険対応となりました。

大腸がん

大腸がん 上・下部消化管内視鏡、大腸透視、造影CT、PET-CTにて臨床病期を決定し、外科的手術のみで治癒が望めない場合化学療法の適応となります。臨床試験の適格基準を満たす場合は同意が得た後で治療開始とします。原発巣の狭窄や出血の症状が強い場合、原発巣を外科的に切除していただき、体内の残存腫瘍に対して化学療法を行います。
使う薬剤はオキサリプラチン、イリノテカン、レボホリナート、5-FUで、これらを組み合わせたmFOLFOX6、もしくはFOLFIRIというレジメンで2週間おきに治療を行います。46時間投与という薬剤もあるため、埋め込み式中心静脈カテーテル(CVポート)を使用し、インフューザーポンプをつけて帰宅し、少量ずつ長時間かけて薬剤を投与します。副作用確認のため初回治療は入院ですが、大きな副作用がなければ外来で同じ治療を継続していきます。
またベバシズマブやセツキシマブといった分子標的薬剤が大腸がんに保険適応となっていますので、投与可能な患者様には治療の選択肢が増えることになります。

 

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫 悪性リンパ腫は、リンパ節腫大や発熱を契機に発見され、年間5000人程度が新たに発症し、その数は増加傾向にあります。診断はリンパ節生検が必要となり、詳細な方法で病型を決定します。進行度はCT、PET-CTなどの画像診断などにより行われます。当科では抗がん剤を用いた化学療法の他に放射線科と連携した放射線療法、また自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法をそれぞれの病型、進行度に合わせて行っています。またB細胞リンパ腫に対しては抗体療法を併用して治療を行っています。現在では悪性リンパ腫の治療も基本的に外来で行い、患者さんの生活の質の向上に努めるとともに、最善の治療効果を得るべく努力しています。

膵がん・胆道がん

膵がん・胆道がん かつては抗癌剤のもっとも効きにくい癌の一つでしたが、ゲムシタビンという薬剤が使えるようになってから少しずつ奏効率が上昇しつつあります。現在はこれに内服薬のTS-1を併用するのがさらに効果が期待できるという論文もありますが、患者様の全身状態によってそれぞれを単独で使用していきます。また痛みの強い場合は治療初期から積極的に各種鎮痛薬を使用し、できる限り苦痛なく治療を行えるよう努めていますが、必要に応じ麻酔科に疼痛管理をお願いすることもあります。黄疸を伴う場合は消化器内科にお願いして経皮経肝胆道ドレナージや内視鏡的胆道ドレナージを行い、黄疸をとってから治療を行うことになります。
 
 

食道がん

食道がん

飲酒や喫煙が危険因子となる疾患です。耳鼻咽喉科領域のがんと合併することもあります。上部消化管内視鏡、食道透視、造影CT(必要に応じ造影MRIを追加します)、大腸検査、PET-CTまたは骨シンチグラムを施行した上で臨床病期を決定し、①内視鏡治療②外科的切除③放射線化学療法のどれを行うかを決定します。

内視鏡治療の場合は消化器内科へ、外科的治療の場合は消化器外科へ紹介しますが、治療方針が明らかな場合はできるだけ最初から該当科へ直接ご紹介下さい。放射線化学療法を行う場合は放射線科に紹介し、入院の上で5-FU持続静注と放射線感受性を高めるシスプラチンの2つの抗癌剤の投与と平行して週5日間の放射線照射を行います。

終了後は病期に応じて放射線科の定期診察の他に当科外来または関連病院にて化学療法を継続していきます。この際には病状に応じてドセタキセルやネダプラチンの点滴、UFT内服などを行っていきます。晩期合併症としての胸水、心のう液貯留を来す場合もあり注意しながら経過観察していきます。狭窄症状が強く食餌指導だけでは改善しない場合、あるいは食道が気管支や肺と瘻孔形成(トンネルができた状態となり唾液や食物が肺に入り咳や発熱がみられます)した場合は、消化器内科にお願いして内視鏡的バルーン拡張術や食道ステントを挿入していただき症状の緩和をはかります。

原発不明癌

原発不明癌 転移性腫瘍で発見され、内視鏡検査、耳鼻咽喉科・泌尿器科・婦人科的検査、CT、MRI、PET-CT、シンチグラムなどの各種画像診断を行ってもどこの癌が元なのか不明な場合を原発不明癌といいます。抗癌剤の組み合わせはどの臓器の癌なのかによって大体決まっていますが、臓器が分からない場合でも治療法はあります。体のどのあたりに転移が集中しているかとリンパ節などの転移先からの組織検査の情報により、もっとも可能性の高い癌腫に準じて化学療法を行います。この場合も施行可能と判断されれば外来化学療法に移行して通院で治療を継続します。
   
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