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新生児グループ

新生児医療体制

新生児グループは、現在、主に青森県唯一の総合周産期母子医療センターである青森県立中央病院(NICU15床、GCU 9床)や地域周産期センターに所属し、青森県の新生児医療体制の中心的な役割を担っています。青森県では超低出生体重児や超早産児などの集中治療を要する可能性があるハイリスクな早産児は青森県立中央病院で対応し、治療を要する先天性心疾患や外科疾患を合併した児などの管理は弘前大学附属病院にて対応する医療体制をとっています。地域周産期センターにおける早産児の対応は施設によって異なりますが、おおむね在胎30-34週以上の対応となっています。これらの役割分担を明確にした診療体制では救急搬送や後方搬送などの新生児搬送体制の充実が欠かせません。我々はドクターカー(周産期センター専用)やドクターヘリを用い、全県での新生児搬送に対応しています。


臨床

青森県では出生数が減少しているもののハイリスクな早産児の出生率が極めて高く、超早産児の長期予後に直結する合併症の軽減が長年の課題でした。近年は脳循環を守る急性期管理(内大脳静脈の血流波形を指標とした循環管理、全例Amplitude integrated EEGによるモニタリングなど)や慢性肺疾患の重症化を防ぐ自発呼吸および肺リクルートメントを意識した呼吸管理(NAVA: Neurally adjusted ventilatory assistの積極的な活用、非侵襲的呼吸管理も含めたHigh PEEP管理など)などにより重篤な合併症の発生率を大幅に減少することができています。また、赤ちゃんとお母さんとの分離(母子分離)を最小限にするための工夫や母乳育児にも積極的に取り組んでおり、特に在胎33‐36週の児に対しては、生後間もなくからの「母児接触」の励行により母子分離軽減を目指し、早期退院につなげています。早産児の子さんでも正期産児のお子さんと同じように、生まれた時から可能な限り家族との時が刻めるようにという思いがあります。


専門医研修

新生児専門医研修を希望する方は基幹病院である青森県立中央病院を中心に研修を行い、県外の施設での研修も行うことで十分な症例を経験し、専門医への道筋をサポートしていきます。


研究

臨床研究を中心に多施設共同研究も含め、近年は下記の研究に取り組んでいます。

多施設共同研究:
・早産児における左房容積および動脈管開存症評価
(PLASE研究:Patent ductus arteriosus and Left Atrial Size Evaluation study in preterm infants)
・慢性肺疾患の診断と治療のための多施設共同前方視的コホート研究
(Multi center prospective cohort study of diagnosis and treatment for chronic lung disease)
・新生児集中治療室における精緻・迅速な遺伝子診断に関する研究開発
(Priority- i:Precise and rapid genetic diagnosis and treatability for Infants)
・マイクロアレイ解析を用いた新生児低酸素性虚血性脳症の新規バイオマーカーの検索
・新生児低体温療法レジストリーによる我が国の新生児蘇生法ガイドラインの普及と効果の評価に関する研究


臨床研究:
・早産児の人工呼吸管理における呼吸賦活剤投与の有用性の検討
・Stress-velocity関係と内大脳静脈の血流波形を指標とした超早産児の急性期管理における脳室内出血予防の検討
・臓器血流を主な指標とした慢性期の未熟児動脈管開存症の管理
・在胎35週における母児分離軽減を目指した管理


新生児グルーブ責任者:
青森県立中央病院
新生児科部長 池田智文

リンク
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