ごあいさつ

 弘前大学脳卒中研究施設にリハビリテーション部門が開設されたのは昭和52年4月であり、そこから弘前大学におけるリハビリテーションの歴史が始まりました。福田道隆教授(現弘前大学名誉教授)が指揮を執り、リハビリテーション医学に関する多くの基礎・臨床研究が行われてきました。昭和53年には弘前大学医学部附属病院に理学療法士が初めて配属となり、専門的なリハビリテーション医療の提供が開始されました。その後、セラピストの数は徐々に増え、現在ではPT 12名、OT 5名、ST 1名にまでなりました。そして平成28年2月には医学研究科にリハビリテーション医学講座が開設され、これにより研究・診療・教育と大学病院が果たすべき全ての役割において体制が整ったことになります。

 平成19年に本邦は、世界の先頭を切って超高齢社会に突入し、健康寿命延伸への関心とともにリハビリテーションへのニーズは飛躍的に増大しました。また診療体系の細分化やリハビリテーション医工学の進歩に伴い、高度に専門化されたリハビリテーションや先進的なアプローチの導入が求められています。更には、様々な分野で臨床応用が期待されている再生医療においても、リハビリテーションはその成否を左右する「鍵」の一つとされています。学問としてのリハビリテーションは比較的新しい分野ですが、今まさに革新的な発展を遂げつつある真っ只中にあると言えます。従来から、疾患によってもたらされた機能障害や能力低下にアプローチするのがリハビリテーションの特徴とされてきました。最近ではそれに加え、疾患自体の治癒を目指した直接的な効果にも目が向けられ、その概念を具体化したリハビリテーション戦略が次々と提唱され大きな期待が寄せられています。

 一方で足元の青森県に目を向けると、そこは日本一の短命県、リハビリテーション分野においても我々が取り組むべき課題は少なくあります。質の高いリハビリテーション医療を地域にくまなく提供することは、地方大学に課せられた大きな責務の一つです。リハビリテーション科専門医は絶対的に不足しており、特に青森県では必要とされている数には到底達していません。専門医の確保・育成は急務であり、リハビリテーション施設の整備・充実、県内ネットワークの構築など未来に向けた活動も、より一層の危機感を持って進めていく必要があります。志を同じくする一人でも多くの方々とチームを組み、この難題に取り組んでいければと思います。

 当科受診を希望される患者さんやご家族、リハビリテーションに関わる多職種の医療関係者、更には興味を持っている研修医、医学生には、本ホームページの当該ページを開いていただき、お問い合わせ先までご連絡いただけますようお願い申し上げます。

平成29年7月3日

弘前大学大学院医学研究科
リハビリテーション医学講座
教授 津田 英一

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