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特別講セミナー
「エピジェネティクスを介した老化制御と、老化を標的としたバイオテックの動向」
講師:早野 元詞 先生(慶應義塾大学 医学部)
日時:6月22日(木)17 時 00 分から
場所:オンライン

[要旨]
健康寿命の85%近くは食事や運動、ストレスなど後天的影響によって制御されると報告されており、我々は後天的に老化を加速するモデルである"ICE" (for inducible changes to the epigenome)マウスを構築している(Yang and Hayano et al., 2023 Cell; Kato et al., 2021 Dev. Cell)。ICEマウスではDNA損傷ストレスによってエピゲノム情報が失われ、老化が加速する。しかしOKS(Oct4, Klf4, Sox2)の発現によってエピゲノム情報の回復と、老齢マウスでの視神経の機能改善が観察される(Lu et al., 2020 Nature)。また、以前よりメトホルミンを用いた老化治療に向けた臨床試験であるTAME (Targeting Aging with Metformin)が実施されているが、近年はCambrian Biopharmaのように明確にaging hallmarksを標的とした創薬開発を行うスタートアップが着目されている。さらに、若返り/Rejuvenationを目指すアルトス・ラボ(Altos Labs)や、Rejuvenate Bio 、Turn Bioなどもアメリカ市場において資金調達を行い活発な開発を行なっている。本セミナーでは、老化の制御の新しい手法と、それらを活用したバイオテックの状況について共有する。