後期臨床研修専門医 研修プログラム

消化器外科専門医コース

目標と特徴

本プログラムは初期研修終了後、外科専門医及び消化器外科専門医取得を目標に置き、一般外科、消化器外科学を中心に乳腺・甲状腺外科学、移植外科学を研修するための医師を対象としています。研修内容は外科医として必要不可欠な知識ならびに技術を修得するとともに、とりわけ今日求められている人間性豊かな医師の育成を図ることにあります。

取得できる資格

外科専門医(日本外科学会)、消化器外科専門医(日本消化器外科学会)、消化器病専門医(日本消化器病学会)、肝臓専門医(日本肝臓学会)、大腸肛門病専門医(日本大腸肛門病学会)、内視鏡外科技術認定医(日本内視鏡外科学会)など

コースモデル例

研修期間は原則として8年の予定です。当大学または他施設での2年間の初期研修期間を終了した医師が対象となります。教室の4つの診療グループ(上部消化管、下部消化管、肝胆膵、乳腺・甲状腺)ならびに小児外科学講座を含めた5グループを3ヶ月1期として、研修期間内に計8期以上のローテートすることを原則とします。後期研修開始後最短3年で外科専門医の受験資格が出来ます。外科専門医取得後更に3年の研修で消化器外科専門医や消化器病専門医等のsubspeciality部門の受験資格が出来ることになります。初期研修期間での経験を踏まえ、心血管外科・呼吸器外科・小児外科でのローテーションを希望に沿うように検討します。豊富な関連施設を有しているため、外科研修は充実したものになります。
大学院入学を志す場合は協議により大学院入学時期及び専攻科目を決定します。外科学会専門医及び消化器外科専門医取得までに費やす期間が若干延長する可能性がありますが、豊富な関連施設を利用して、出来るだけ短期間に専門資格を受験できるようなローテーションを個々の希望に応じて決定します。

ローテーション例
後期1年目 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年
下部/上部
関連施設
関連施設 心血管外科/肝胆 下部/上部
小児外科
乳腺・甲状腺/
外来研究クール
研究クール 関連施設 大学内
専門研修
    外科学会
専門医
予備試験
外科学会
面接試験
  学位論文
提出
  消化器外科
消化器病
専門医受験
診療グループ情報

(1)主な疾患と手術
上部消化管:食道切除、胃切除(全摘、亜全摘)など
食道癌、食道アラジア、逆流性食道炎、
胃癌、難治性胃・十二指腸潰瘍、上部消化管穿孔、GIST など
下部消化管:結腸切除(半側切除、全摘)直腸切除、骨盤内臓全摘 など
肝胆膵:肝切除、膵頭十二指腸切除、胆嚢摘出、生体肝移植 など
肝細胞癌、胆管細胞癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、膵管内乳頭腫瘍、慢性膵炎、
胆石症、肝内結石症、胆道閉鎖、肝硬変、劇症肝炎、代謝性肝疾患 など
乳腺・甲状腺:乳房切除再建、甲状腺切除 など
乳癌、甲状腺癌、甲状腺機能亢進症、副甲状腺腫瘍 など
上記各疾患に対しての内視鏡下手術も随時施行しています。

主な研究分野

肝移植・人工肝グループ
肝移植臨床症例の免疫抑制剤のモニタリングなどに関する臨床研究を施行する一方、体外循環型人工肝臓の開発や肝切除後肝不全の病態解明の研究を行っています。また、免疫寛容についての研究を生化学的手法を用いて行っています。
生化学グループ
第一生化学教室のご協力で、ヒアルロン酸のコントロールによる癌転移・浸潤の抑制、肝内結石の成因と治療に関する研究、肝の再性能についての研究、プロテオグリカンを用いた実験大腸炎の治療を施行しています。
病理学グループ
病理学講座との協力で、癌の浸潤能の検討など病理学的に研究を行っています。

関連研修施設

(1)消化器外科学会専門医修練認定施設:青森県立中央病院、青森市民病院、私立秋田総合病院、大館市立総合病院、山形県立中央病院、山形県立河北病院、私立函館病院
(2)消化器外科学会専門医修練関連施設:国立病院機構弘前病院、国立病院機構青森病院、むつ総合病院、三沢市立三沢病院、青森市立浪岡病院、函館渡辺病院、白生会胃腸病院、つがる市立成人病センター、公立金木病院、公立野辺地病院、公立七戸病院、鶴田町立中央病院、鯵ヶ沢町立中央病院、町立大鰐病院、国保名川病院、三戸町立病院

スタッフ

(1)コース長 袴田 健一(消化器外科学講座 教 授)
(2)研修責任者 小田桐弘毅(消化器外科学講座 准教授)
(3)指導医 鳴海 俊治、川崎 仁司、豊木 嘉一、村田 暁彦、西 隆、 和嶋 直紀、小山 基、
宮本 慶一、石戸 圭之輔、工藤 大輔、坂本 義之、諸橋 一、木村 憲史

研修希望者へのメッセージ

教室の専門医養成プログラムの目標は、「グローバルスタンダードから見て優れた医師・研究者の育成に結びつくような医学教育」です。即ち、臨床研修医として学んだ基本的な知識と臨床能力を再評価しながら、専門医研修では、消化器外科医として「日本での先進的レベル」を目指した最新の知識と高い技術の習得を目標としています。教室では、「最先端の医療を地方から発信する」ことをモットーにしてプログラムを作成しています。教室の専門研修プログラムでは、大学病院内における臓器別の専門的研修と臨床研修指定病院を含む関連施設におけるプライマリーケアを包括した実践的研修をローテーションするにより、最短で外科専門医・消化器外科専門医を取得できるように作成されています。また、このローテーションの中で地域医療を経験しながら、国内外の学会活動や研究発表・論文作成にまで指導体制が整っていることも特徴です。医療と取り巻く環境は日々厳しくなっており、各専門分野では「医療技術の質」が問われる時代になってきました。競合的時代において医師としての才能を開花させるには、「個人の努力」とともに「環境」が大きな要因となります。この意味から、当教室では厳しくも楽しい充実した専門研修が可能であると自負しています。一般・消化器外科を学ぼうという情熱にあふれた方をお待ちしております。

問い合わせ先

担当者 村田 暁彦(消化器外科学講座 講師)
住所 青森県弘前市在府町5 弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座
Tel 0172-39-5079
Fax 0172-39-5080
e-mail sanyou@cc.hirosaki-u.ac.jp