弘前大学医学部 弘前大学第一外科
胸部疾患/外科治療
TOP 心臓疾患/大動脈 呼吸器 末梢血管 お問い合わせ
TOP    
お知らせ
ごあいさつ
スタッフ
病棟
外来
アクセス
リンク
メンバー専用のページ

 

 末梢血管疾患

2006年血管外科手術集計 2006.1.1〜2006.12.31
  動脈瘤手術 34
  ・腹部大動脈瘤(または腸骨動脈瘤)切除術27
  ・腹部大動脈破裂手術4
  ・炎症性または感染性動脈瘤2
  ・末梢動脈瘤1

  末梢血管手術 18
  ・急性動脈閉塞4
  ・閉塞性動脈硬化症・下肢バイパス術 10
  ・鼠径部悪性腫瘍血行再建1
  ・静脈再建術 3



2005年度臨床業

 

最近の血管外科領域での入院患者数は80〜90例と増加しています。
末梢血管外科領域においては、下肢動脈閉塞性疾患において、積極的に下肢血行再建術を行い、その成績は高い評価を受けています。
特に、高率に閉塞をきたしやすいとされる膝下部の血行再建術においては、自家静脈のvasa vasorumの温存、グラフト口径の適合から、積極的にin situ saphenous vein graftの導入をおこない、二次開存率92.7%と良好な成績を残しました。
最近の進歩として、新しい抗血小板剤の開発により、軽度の間欠性跛行を有する下肢動脈閉塞性疾患においては、運動療法と薬物療法により、50%以上の症例で改善が認められ、安静時痛や潰瘍形成など高度の虚血による救肢を目的とした血行再建術が増加しています。
大腿動脈以下の血行再建術では教室では、主に自家静脈グラフトを用いてきましたが、近年人工血管も進歩を遂げ、膝上部までの血行再建術においては、EPTFEなどの細口径血管に自家静脈片の付加(Tayler patch)で積極的に行っています。血管外科における基礎的研究においても、田中、野村、清水らは、静脈グラフトとして内皮細胞播種型人工血管(seeded graft)の開発、研究に取り組み、日本脈管学会、日本静脈学会などで発表しています。
1999年6月には、前教授鈴木宗平先生を会頭として、第19回日本静脈学会総会が、弘前市で開かれました。急速な発展を遂げているinterventionをテーマに、静脈領域における endovascular intervention, 肺塞栓症の病態、診断、治療さらには静脈内腫瘍栓の治療などを大きなテーマに全国から102題の演題が発表されました。
腹部大動脈瘤の治療に関しては、年間20〜30例の観血的人工血管置換術の症例がおこなわれており、腸管虚血などの合併症は、ほとんどみられなくなり、手術成績は安定しています。さらに、これまで外科手術が耐術面で不可能とされていた症例に対して、放射線科と共同で、人工血管被覆化ステント内挿術を開始しました。これまで、38例が行われ、初期には、ステントmigrationなど高頻度でありましたが、最近は腹部大動脈、腸骨動脈領域の人工血管被覆化ステント内挿術は良好な安定した結果を示しています。
破裂性大動脈瘤の治療成績も、精力的な努力で、迅速な対応と早急な手術で生存率68%まで向上しました。

 

 

   
ページの上へ▲
copyright