HiroCoナースプラン

弘前大学 Competent ナース育成プラン(HiroCoナースプラン)は、臨床看護の基盤を作るため、看護学生から新人そして一人前の看護職員となるためのシームレスな教育システムを構築し、看護実践力および教育力の育成・向上を図ることを目的としています。
看護部内に弘前大学看護職教育キャリア支援センターを設置し、事業の総括を行っています。
看護部、保健学研究科の双方の委員からなる看護職教育キャリア支援センター運営委員会が事業の運営等を検討し、実施しています。活動は、教育プログラム開発部門、指導者育成部門、キャリアパス開発部門の3部門が連携しながら、各々目標・活動計画を立て実施しています。

HiroCoナースプランの概要

HiroCo(Hirosaki Competent) ナースとは

「3年程度の臨床経験を積み 、高い倫理性を持ち、対象者の健康と生活を支えることのできる一人前の看護師」


教育プログラム開発
一人前の看護師(HiroCoナース)に
必要な看護実践能力を育成するため
に、学問的検討を加えプログラムを
開発します。

教育指導者養成
HiroCoナースや看護学生の
役割モデルとなり、臨床現場
のみならず基礎教育の場でも
講義や演習が行える指導者を
養成します。
 
キャリアパス構築
看護職が主体的にキャリア
デザインできるためのキャリア
パスを構築し、看護職個人の
能力開発と組織の充実・発展を
図ります。

   人事交流
看護部と保健学研究科が密に
連携し、看護の質の向上および
看護基礎教育への反映を図り
ます。 


観察力・判断力・対応力育成プログラム

本プログラムは、看護基礎教育での「フィジカルアセスメント」および卒後1年目の「基本的看護技術研修」を基盤にし、段階的に一人前の看護師(HiroCoナース)を育成するプログラムです。

主な内容として、看護形態機能学を主軸としてからだのしくみと営みを理解し、看護の役割としての日常生活行動を支える能力を育成する研修です。
また、日常提供している看護のエビデンスを検証するエビデンスリサーチ研修やクリティカルシンキングは、新たな看護の魅力発見につながっています。
そして、看護倫理は倫理綱領のレビューから倫理的気づきやジレンマを、事例や分析ツールを使用して倫理性を向上させる研修です。
プログラムは、これらの研修が主な柱になっています。






患者個々にあった日常生活行動の援助を計画・実施し回復促進を目指すため、『看護形態機能学』の視点から、主として「食べる」「動く」「トイレに行く」 という日常生活行動を支えるための観察力・判断力・対応力を強化します。
聖路加国際大学教授の大久保暢子氏を講師として、『看護形態機能学の視点から日常生活を捉える』研修を実施しています。

  ねらい:患者の健康状態を看護形態機能学の視点からアセスメントし、早期回復に向けて
      日常生活行動への看護援助・支援方法を計画できる能力を養う。

   内 容

研修形態 内   容
       
事前課題 eラーニング フィジカルアセスメントの復習
      
2日間 講 義 日常生活行動の枠組みからみる看護形態機能学の
視点
       
講義 日常生活行動の視点からのヘルスアセスメント
     
講義・演習 「動く」「食べる」「トイレに行く」のヘルス
アセスメントと看護援助の実際・ヘルスアセス
メント技術演習

     フォローアップ研修


研修形態 内   容
       
事前課題 事例まとめ 受け持ち患者をヘルスアセスメントし、看護援助
を展開する。計画・実施・評価をまとめる。
      
2日間 講 義 ヘルスアセスメントと看護援助の実際
       
グループ
ワーク
「食べる」「トイレに行く」のヘルスアセスメン
トと看護援助を考える
     
グループ
ワーク
各自の事例を共有

   フィジカルアセスメント演習風景





  実践場面で活かせるように、フィジカルアセスメントのコツを学ぶミニ研修会(30分)を
  実施しています。
   1回目:意識レベルを評価しよう   
   2回目:胸部と腹部のアセスメントをしよう
   3回目:瞳孔のアセスメントをしよう 
   4回目:MMT(徒手筋力テスト)を評価しよう

指導者育成プログラム

このプログラムは、大学病院に求められている指導者としての役割を理解し、後輩を指導できる能力を習得することを目的としています。
看護実践力を備えた一人前の看護師が指導力を身につけることで、指導者になるよう育成します。




  目 的:大学病院に求められている指導者としての役割を理解し、後輩を指導できる能力を習得
      する。
  対 象:卒後3年目以上の看護職員で次年度実習指導者または実地指導者を担う予定の看護職員

  内 容

研修形態 内 容 目  標
       
講義 組織の教育
システム
組織の教育システムを理解する
      
演習
グループ
ワーク
指導者の
態度・姿勢
指導者に求められる態度や姿勢を理解し、行動化
できる。
自己の教育者としての準備状態を知り、指導者と
しての課題を明らかにできる。
      
講義 対象者の理解 現在の看護基礎教育の教育課程を説明できる。
現代の若者の傾向を説明できる。
学生や新人看護師が起こしやすいニアミスを説明
できる。
      
講義 コミュニケー
ションスキル
相手の考えを引き出し、自発的な行動を促すコ
ミュニケーションスキルを理解できる。
相手を尊重し、必要なことを伝えるコミュニケー
ションスキルを理解できる。
      
講義 教育方法 主要な教育方法、主体性や意欲を高める指導方法、
評価法を説明できる。
      
演習
グループ
ワーク
看護技術の
指導方法
新人看護師に対する看護技術の指導方法について
理解できる。

    平成24年度から令和2年度までに、264人の指導者が誕生しました。


指導方法のシミュレーション風景 グループワークの様子


    HiroCoナースを育てる指導者の態度・姿勢についてのグループワークの成果

新人看護師を、家庭で子どもを育てる
ことに置き換えて、必要な栄養やしつ
け・支援を考えました。
餌を与えることがほめる・フォロー・
見守りとして、外敵のヘビが課題・厳
しい指導・試練として、やさしさを
持った周囲のスタッフの協力を、卵を
孵す環境で表現しています。