新人教育などについて
看護部における新人教育
新人教育の意義
医療安全の確保および新人看護職員の看護実践能力の向上をはかる。
新人看護職員の到達目標
- 看護職員・社会人として必要な基本姿勢と態度を習得できる。
- 看護に必要な基礎知識を習得する。
- 基本的看護技術が実践できる。
- 看護過程を展開し、複数の受け持ち患者のケア計画と実践ができる。
- 自分自身を振り返り、課題を見つけることができる。
到達レベル
- 看護基準・手順・マニュアルに沿って、準備から後始末までできる。
- 人間尊重・人権を擁護し、患者の安全・安楽を確保できる。
- 配属部署の標準的な比較的状態の安定した患者のケアができる。
教育支援体制(組織体制)
配属部署での体制
プリセプターシップ制を実施しています。新人看護師に対して経験のある先輩看護師(実地指導者=プリセプター)がある一定期間マンツーマンで同じ勤務を一緒に行って仕事を教えます。
また、新人看護職員の成長過程を確認し、今後の指導方針の確認・見直しや、新人教育に関する問題の調整や解決の機会とするため、プリセプター会議を開催しています。参加メンバーは、看護師長、副看護師長、プリセプターです。
弘前学院大学看護学部看護学科卒業(2018年卒)
毎日業務に追われ大変ですが、自分のペースで成長できるよう解決策を共に考えスタッフ全員でサポートしています。積極的に声をかけ相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。理想の看護師像を目指し看護の楽しさややりがいを共有しましょう。
弘前大学医学部保健学科卒業(2021年卒)
入職当初はわからないことばかりで不安でしたが、プリセプターさんがいつも気にかけてくださり、非常に心強かったです。知識・技術・患者さんへの対応など、あらゆる面で丁寧にわかりやすくご指導いただきました。とても尊敬しています。
研修体制
研修体制は、看護部における教育計画(集合教育)および部署における新人年間教育計画、自己学習などを組み合わせて行っています。
研修体制の目安
集合教育
4月に採用になった新人看護職員を対象に、基本的看護技術を中心に学生では経験しない業務に関する内容も含めた集合研修を実施しています。
研修の時期:4月~7月は各月2回 10月に1回 2月に1回
集合研修では「知識がわかる」「演習でできる」「事例で展開できる」ことを目標としており、受け持ち患者で実践できるよう部署教育につなげています。
4月:基本的看護技術研修(1)
ケアに活かそう~基礎看護教育での学びをReview~
*看護基礎教育で学んだ技術を再確認しながら、部署で使用している物品で練習します。
研修項目:移乗・移送/寝衣交換・おむつ交換・スキンケア/手指衛生・針刺し防止
4月:基本的看護技術研修(2)
経験して身につけよう安全な技術と看護業務
*ナーシング・スキルで手順を事前に学習して研修に臨みます。
研修項目:輸液法(ミキシング、プライミング)/採血法/確認行為
5月:基本的看護技術研修(3)
4月に採用になった新人看護職員を対象に、基本的看護技術を中心に学生では経験しない業務に関する内容も含めた集合研修を実施しています。
研修の時期:4月~7月は各月2回 10月に1回 2月に1回
*基礎教育で経験できない日勤業務・夜勤業務内容や事務手続きについて、先輩看護師が具体的に教え、演習ではみんなで考えます。
また、夜勤の時の睡眠についてもアドバイスします。
研修項目:検体の知識/薬剤管理に関する講義は、検査部や薬剤部から講師を招いて、専門的な知識を習得します。
5月:基本的看護技術研修(4)
夜勤に向けて、必要な知識や技術・態度を身につけ自信を持とう
*シミュレーターを使用した演習を、複数回経験できます。
研修項目:呼吸・循環を整える技術(吸引・酸素吸入)
6月:基本的看護技術研修(5)
ケアや業務に潜むリスクを確かな知識と技術で回避!!
*病棟で実際に使っている機械に触れて、正しい操作方法やアラームの対応などについて学びます。
研修項目:安全確保の技術(確認行為・リスク回避)/輸液ポンプ・シリンジポンプの取り扱い
6月:基本的看護技術研修(6)
ケアや業務に潜むリスクを確かな知識と技術で回避!!
*業務における優先順位の考え方や業務の組み立て方について演習を通して学びます。
研修項目:業務の組み立て(多重課題と対応)/経管栄養法/浣腸
7月:基本的看護技術研修(7)
できることを拡大しよう。
*褥瘡の発生要因のリスクアセスメントと予防ケア、膀胱留置カテーテル法を演習で学びます。
研修項目:褥瘡の予防ケア/ポジショニング、車椅子での安楽方法、膀胱留置カテーテル法など
7月:基本的看護技術研修(8)
できることを拡大しよう。
*ドレーン管理の基本、輸血製剤の取り扱いについて演習を通して学びます。
研修項目:胸腔ドレーン・SBバック・ハマ/輸血/ストレスマネジメント/死後のケア
10月:基本的看護技術研修(9)
一人立ちに向け備えよう知識・技術
*呼吸循環を整える技術・症状生体機能管理技術・救命救急処置技術について演習を通して学びます。
研修項目:呼吸生理・酸素療法/心電図・モニタリング/意識レベル/BLS/気管挿管の介助
*呼吸生理・酸素療法・心電図・モニタリングに関する講義は、集中ケア認定看護師と循環器内科医師を講師として専門的知識を習得します。