研究

消化吸収グループ

 

以前より福田眞作教授を中心に、当科では小腸における消化吸収について研究を行っておりました。本研究で用いる測定法は、食品摂取後に内視鏡的逆行性腸管挿入法(endoscopic retrograde bowel insertion method: 以下、ERBI)を用いた小腸液潅流法というもので、内視鏡的に回腸末端部に挿入したチューブより直接回収された腸液を用いて栄養素や代謝物質の量、細菌の測定を行い、小腸内での動態や代謝について検討しております。

 

内視鏡研究グループ

 

当グループでは、内視鏡関連の研究をしております。共焦点レーザー内視鏡を用いた生体内分子イメージングなどの基礎的な研究から消化管ESDや内視鏡時の抗血栓薬の取り扱いなどの臨床研究まで幅広い研究を行っています。
また、「低用量アスピリン服用中の胃腫瘍症例に対する内視鏡的粘膜下層剥離術における消化管出血リスクについての多施設共同無作為比較試験」などの全国多施設共同研究や、厚生労働省科学研究委託費「がん化学予防薬の実用化をめざした大規模臨床研究」J-CAPP Study IIのワーキンググループへの参加など全国的な研究活動も行っています。

 

肝胆膵グループ

 

当グループでは、動物モデルを用いて実験を行い肝線維化・肝発癌に対する新規治療法の開発を目指しています。右は、ヒアルロン酸合成阻害剤である4-メチルウンベリフェロン(4-MU)により、ラットの肝線維化が抑制された病理組織像です。(a:コントロール、b:胆管結紮、c:胆管結紮+1%4-MU、d:胆管結紮+5%4-MU)。

 

 

免疫グループ

免疫グループ主な研究テーマ

 

炎症性腸疾患の病態解明に関する研究
  • ビタミンAを介した腸管オートファジー機能の解明と炎症性腸疾患治療としての可能性
  • シクロスポリンによるSTAT3シグナル調節による腸上皮細胞アポトーシスの制御効果
  • TGF-bによる腸管粘膜免疫系の恒常性維持に関する研究
炎症性腸疾患の臨床研究
  • クローン病患者における再燃もしくは寛解維持予測因子の検討
  • 潰瘍性大腸炎治療反応予測バイオマーカーの探索
  • クローン病の活動性モニタリングにおけるMRIの有用性
  • 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業
    「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」における多施設共同研究
    • アダリムマブと免疫調節剤併用中の寛解クローン病患者における免疫調節剤休薬の検討
    • 難治性潰瘍性大腸炎を対象としたタクロリムスとインフリキシマブの治療効果比較試験
    • クローン病のリスク因子に関する多施設共同・症例対照研究
      (健康と生活習慣に関する疫学調査 他)
関節リウマチの臨床研究
  • 関節リウマチ症例の治療効果判定及び骨破壊進行予測におけるMRI検査の有効性の検討
  • 多施設共同研究
    • 発症2年以内の関節リウマチ症例に対するトシリズマブの治療反応性と有効性および休薬の検討
    • インフリキシマブによるプログラムコントロール治療で導入された関節リウマチの寛解維持に関するランダム化試験
    • トシリツマブ使用関節リウマチ患者長期観察調査 他

 

自己免疫疾患の臨床・研究に興味のある仲間を募集しています。
少しでも興味ある方、一緒に頑張って見たい方は、ぜひご連絡をください。メールで質問、見学だけも大歓迎です。

 

血液グループ

 

当グループでは、日本血液学会主導の「日本国内における2nd line 以降の既治療慢性期慢性骨髄性白血病患者を対象とした観察研究」や青森県立中央病院との共同研究である「慢性期慢性骨髄性白血病(CML-CP)に対する分子遺伝学的完全寛解(CMR)達成後のnilotinibのStop後の分子遺伝学的効果の維持率を検討する臨床試験」など種々の臨床試験に参加しています。また、 リンパ腫における腫瘍形成機序に関する研究も行っています。

 

当教室では福田眞作教授を中心にピロリ菌(Helicobacter pylori)感染について、20年以上にわたって幅広い研究を行ってきました。現在は、地域住民の健康に貢献できる研究に重点を置き、青森県内の関連施設における胃がんリスク検診の普及、つがる市・鶴田町の若年者に対するピロリ菌検診と除菌、弘前市岩木地区の健康増進プロジェクトにおけるピロリ菌除菌と生活習慣病の関連について検討しています。また、弘前大学職員検診へのがんリスク検診の導入・運用に尽力し、ピロリ菌1次・2次除菌不成功者への3次除菌治療も行っています。

 

心療内科グループ

 

当グループでは、機能性消化管障害、特に過敏性腸症候群(IBS)について、消化管内圧測定による消化管運動異常の評価、functional MRIを用いた直腸伸展刺激と脳機能に関する検討などを行ってきました。最近は2005年から行われている岩木健康増進プロジェクトのアンケート調査に参加させていただき、IBSと生活習慣、心理的異常、腸内細菌などとの関連について研究しています。
消化管運動や心身医学に関連する学会に積極的に参加し、発表を行っています。