消化器内科専門医養成コース

消化器内科専門医養成コース

1)コースの概要・特徴ポイント

 

大学病院では、主に消化管、肝胆膵、血液の各診療グループをローテート(3 ヶ月ごと)しながら研修を行います。紹介患者が多いため、より高度な治療・手技やより専門性の高い知識を必要とする症例を数多く経験できます。具体的には、通常内視鏡検査は術者として約300 例/年、治療内視鏡については難易度と各ドクターのレベルに応じて考慮します。腹部超音波検査が400 例(術者、助手としてそれぞれ200 例/年)、消化管造影検査は、胃・食道50 例(術者20 例、助手30 例)/年、大腸が200 例(術者、助手としてそれぞれ100 例)/年、小腸が10 例(術者としては数例)/年などです。また入院診療では、一般的な消化器疾患のみならず、年間延べ20~30 例前後の炎症性腸疾患(Crohn 病、潰瘍性大腸炎)などのより専門的な知識を必要とする疾患を指導医とともに担当することができます。
一方、関連病院には大中小さまざまな規模の病院(後記)があり、多種多様な臨床経験を積むことができます。両者の特徴を生かしながら、高度で専門的な領域のみならず、プライマリーケアや内科全般に関する知識や技術を習得できるような研修を提供したいと思います。
また、内科認定医、専門医取得に必要な他領域疾患の臨床経験については、他内科への短期ローテート研修によって積むこともできます。

 

2)取得できる資格

 

日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本大腸肛門病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化管学会認定医、日本ヘリコバクター学会認定医、日本心療内科学会専門医、
など

 

3)コースモデル例(研修期間:原則6年)(後記1年目から資格取得まで)

 

(例1)消化器病学会専門医資格取得専念コース例

 

1年目 内科学会認定施設(または大学病院)
2年目 大学病院(または内科学会認定施設)
基本学会認定内科医資格取得
3~5年目 大学病院・消化器病学会認定施設(交互に研修)

6年目

専門医資格取得・研修修了(更に上位資格へ)

(例2) 大学院併行コース例

 

1年目 大学院入学(社会人入学も可能)
内科学会認定施設で研修
2年目 臨床・研究に従事
学位取得
大学病院で研修
(基本学会認定内科医資格取得)
3年目
4年目

5年目

  消化器病学会認定施設で研修
(専門医資格取得・研修修了)
(更に上位資格へ)
6年目

 

 

(注) 認定内科医資格取得に必要な症例等が不足する場合や認定内科医取得後にさらに上位の総合内科専門医取得を希望する場合には、他内科系診療科(循環器・呼吸器・腎臓内科や内分泌・代謝・感染症内科、神経内科など)への短期ローテート研修が可能です。
(注)大学院入学時期は1年目に限定しない。社会人入学も可能である。

 

4)診療グループ情報

 

  1. 主な疾患
    肝癌、胃癌、大腸癌、食道癌、膵癌、胆道癌、急性・慢性肝炎、大腸ポリープ、肝硬変、静脈瘤、クローン病、潰瘍性大腸炎、胆石、胃良性腫瘍、胃十二指腸潰瘍、急性大腸炎、急性・慢性膵炎、肝膿瘍、大腸憩室炎、腸閉塞、膵石症、原発性硬化性胆管炎、消化管出血 など
  2. 主な手技・手術など
    内視鏡的粘膜手術(ポリペクトミー、切開・剥離法も含む)、内視鏡的止血術、内視鏡的食道・胃静脈瘤硬化療法、内視鏡的拡張術(ステント挿入も含む)、内視鏡的胃瘻造設術、内視鏡的乳頭切開術(胆管結石除去、胆管・膵管ステント挿入も含む)、内視鏡的経鼻胆管・膵管ドレナージ術、内視鏡的胆管膵管造影、腹部超音波検査、消化管X線検査、肝生検、クローン病に対する抗TNFα抗体療法、血球成分除去療法 など

 

5) 施設

 

消化器病学会認定施設・関連施設:
弘前大学医学部附属病院、青森県立中央病院、青森市民病院、国立病院機構弘前病院、青森労災病院、弘前市立病院、つがる総合病院、三沢市立三沢病院、むつ総合病院、国保黒石病院、大館市立総合病院

消化器内視鏡学会指導施設:
青森県立中央病院、青森市民病院、弘前市立病院、つがる総合病院、三沢市立三沢病院

 

6)スタッフ

 

コース長 福田眞作(消化器血液内科学講座 教授)
研修責任者 櫻庭裕丈(消化器血液内科学講座 准教授)
指導医 山形和史、遠藤 哲、三上達也、佐藤 研、櫻庭裕丈、珍田大輔、澤谷 学、平賀寛人、菊池英純、澤田直也

 

7)メッセージ、トピックス、コース体験談

 

・コース長からのメッセージ

高齢化社会や疾病構造の変化に柔軟に対応しながら地域医療に貢献できる医師の育成をめざしています。さらに高度な医療を提供できる専門領域の専門医の育成を目的としております。「地域医療さらには高次医療の担い手の育成」を当コースの後期臨床研修の基本理念として掲げ、その実践に向けてプログラムを充実させていきたいと考えています。

 

・先輩からのメッセージ

私は弘前大学を7年前に卒業後、2年間の内科系ローテート研修を行いました。その後、消化器病なかでも内視鏡手技に興味を持ち、消化器内科のシニアレジデントとして消化器病一般を研修することにしました。3、4年目は、大学病院で指導医のもと主に内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的止血術、内視鏡的乳頭切開術などを学び、認定内科医と消化器内視鏡学会専門医を取得しました。現在は消化器病専門医、総合内科専門医を取得する種、大学病院で新しい手技の経験を積むとともに、診療や臨床研究に没頭する日々を送っています。最後にこれから後期研修を考えている皆さんにとって、やる気さえあれば様々な知識や手技を習得できる環境にあると思いますので、一緒に頑張りましょう。

 

8)問い合わせ先

 

弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科学講座
担当者 櫻庭裕丈(消化器血液内科学講座・准教授)
t e l 0172-39-5053(直通)
f a x 0172-37-5946
e-mail ichinai@hirosaki-u.ac.jp