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神経精神医学講座 Neuropsychiatry

【研究室構成および紹介】

  • 教 授  中村 和彦
  • 准教授  冨田 哲
  • 講 師(病院所属) 坂本 由唯
  • 助 教  長田 真人
  • 助 手  照井 藍、足立 みな美

 精神疾患は「五大疾病」のひとつになり、職場でのうつ病や高齢化に伴う認知症の患者数が年々増加しています。精神疾患は国民に広く関わる疾患として重点的な対策が必要とされています。
 臨床面では合理的薬物療法を中心に、治療抵抗性統合失調症に対するクロザピン治療、修正型電気けいれん療法などを行い、治療効果を上げています。また、薬物療法のみならず、うつ病や摂食障害に対する認知行動療法、PTSDに対するEMDRなどエビデンスに基づいた精神療法を取り入れ、単独療法や併用療法を行っています。さらに、せん妄などへのリエゾン・コンサルテーション、緩和ケア、自閉スペクトラム症など発達障害への診断と治療などのニーズも年々高まっています。教育面では、脳科学研究や画像診断による疾患理解だけでなく、患者さんの認知や思考パターンへの十分な理解を踏まえた診断や治療計画など、カンファレンスを通してディスカッションする機会を設けています。実習で回ってくる学生に少しでも精神医学の面白さを伝えたいと思っています。


【現在の研究テーマ】

 研究は現在2つのチームを中心に行っています。臨床薬理チームでは、非常に幅の広い臨床に立脚した研究活動を行い大きな成果を上げています。大学病院に加え、地域の総合病院や単科の精神病院と協力し、疫学調査から分子遺伝学まで、精神科臨床に役立ちそうなものは何でもテーマにしているのが特徴です。チームのメインの研究は薬効の個体差を様々な角度から、時には分子遺伝学的な解析を用いて解明しようとしています。さらに、精神疾患患者における身体疾患の合併症や身体疾患患者の持つメンタルヘルスにも着目しています。このような研究活動を通して、各メンバーの診断・治療技術の向上を図りつつ、患者さんに役立つ情報を国内外に発信しています。
 児童思春期チームでは、弘前市委託事業である5歳児発達健診のフィールドを用いて、診断に関わる生物学的なマーカーや発達特性について病態解明チームでは自閉スペクトラム症におけるCNV解析、ミクログリア活性の変化に影響を及ぼすIGF-1についての研究などの他、疫学ではDSM-5における自閉スペクトラム症の有病率が約3%であり、8割以上に注意欠如多動症や発達性協調運動症、知的発達症や知的障害など他の神経発達症が併存することを報告しました。支援チームでは弘前市教育委員会と共同で行った全小中学生を対象にした心の健康調査の結果、抑うつが心配される割合が小学校低学年で15.3%、高学年で21.2%、中学生で29.5%に上り、年を重ねるほど割合が高まる傾向がみられたことを報告しています。地域貢献を含めて成果が出るよう活動しています。


【臨床研修】

 後期研修医プログラム:精神科医を目指す方のコースで、精神科指定医、精神科専門医を取得します。後期研修医以外の方も随時プログラムに入れます。
 児童精神科医養成プログラム:不登校、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、子どものうつ病、心身症などの外来治療、入院治療を指導のもとで行います。症例報告、学会発表、レポート作成を行い専門医試験を目指します。随時プログラムに入られます。


【大学院】

 後期研修と並行して大学院履修コースがあります。指導医がつき4年間で修了し、医学博士が取得できます。


  • 問い合わせ先
  • 弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座
  • 准教授・講座マネージャー 冨田 哲
  • Tel:0172-39-5066
  • Tax:0172-39-5067
  • E-mail:ttomita@hirosaki-u.ac.jp

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