小児外科学とは、脳脊髄、眼、耳鼻咽喉、心大血管、骨などを除く領域の小児の外科的疾患を広く扱う学問です。また外科的侵襲を受ける小児の術前後の全身管理を担当する学問であります。青森県は、新生児、乳幼児の死亡率が全国の平均よりも高い値を示しておりますが、青森県唯一の認定機関である附属病院では小児外科の充実により、診断治療が確立し、その結果、死亡率の低下が期待されます。さらに小児外科専門医による高度の医療が可能となり、次代を担う小児外科医の育成にも多大なる効果が期待されます。
小児外科は外科領域の中では最も新しい分野の1つで近年、急速な進歩を遂げています。新生児、乳幼児、学童、思春期といった各年齢層に応じ治療面のみならず、QOLを含め精神的、社会的側面から成長期の小児を取り扱っていき、また消化器外科、胸部外科、形成外科、小児科はじめ関連各科との連携のもと治療を行っております。
平成22年10月1日より肝移植は小児・移植グループをメインとして施行される体制となりました。当科は、成人・小児の肝移植を担当しています。本邦では比較的早い時期の1994年に生体肝移植を開始し、1995年には東北・北海道では初めて成人例に適応を拡大しています。2010年12月までに40例の肝移植を行っています。生存率をグラフに示します。
須貝 道博 | (小児外科学講座准教授・附属病院小児外科診療教授) |
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鳴海 俊治 | (先進移植再生医学講座准教授・附属病院消化器外科診療教授) |
梅原 実 | (小児外科学講座講師) |