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S-1内服投与並びにパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法


区 分 先進医療A
 

適応症 膵臓がん
(遠隔転移しておらず、かつ、腹膜転移を伴うものに限る。)


診療科 消化器外科


研究名称  
 腹膜転移を有する膵がんに対するS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内投与併用療法の無作為化比較第III相多施設共同臨床試験

目 的  
 審査腹腔鏡検査もしくは開腹術(バイパス術など)にて腹膜転移を有する膵癌患者さんに対して、S-1(エスワン)+パクリタキセル(Paclitaxel; PTX)経静脈・腹腔内投与併用療法を標準療法であるゲムシタビン+アルブミン懸濁型パクリタキセル併用療法(GEM+ nab-PTX療法)と比較して、前者の有用性を確かめることが目的です。


対象疾患の背景  
 膵がんは代表的な難治性のがんで、5年生存率は約5%と推測されています。また、2004年の膵がんによる死亡率数は約22,000人であり、我が国におけるがん死の第5位です。
 膵がんのおよそ70%の患者さんで、診断時にリンパ節、肝臓、腹膜、肺などへ転移、もしくは血管への腫瘍浸潤のため切除が不能であり、膵がん全体の5年生存率は5%以下と極めて不良です。中でも腹膜転移の存在は、膵がん患者の予後を規定する重大な因子のひとつであります。腹膜転移はその進行に伴って腹水貯留、消化管閉塞、水腎症などを来たし、腹痛、腹部膨満、嘔気、嘔吐、便秘、低栄養や腎障害など患者さんの生活の質を著しく低下させます。膵癌に対する治療法は多く開発されておりますが、腹膜転移患者さんに特化した治療法はいまだ確立されておりません。したがって、腹膜転移の進行を抑制する治療法の開発は重要な課題となっております。


主要評価項目  
 腹膜転移を有する膵がんに対するS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内投与併用療法の有用性として、全生存期間延長効果について評価いたします。


対象となる患者さん  
 この試験に参加していただくためには、いくつかの条件が設けられています。そのため、試験の参加に同意をいただいても、条件に合致しないことが分かった場合には、残念ながらご参加いただけないことがありますのでご了承ください。

【試験に参加していただける方の主な条件】
  1. 同意取得時の年齢が20歳以上80歳未満の患者さん
  2. 浸潤性膵管がんと診断された患者さん。もしくは審査腹腔鏡検査や開腹手術にて腹膜転 移が診断される患者さん
  3. 前化学療法を受けていない患者さん。もしくは前化学療法の期間が2ヶ月未満であり、治療開始後に明らかな腫瘍の進行や重い副作用を認めていない患者さん
  4. パフォーマンスステータス(PS, ECOG分類)が0~1の患者様さん
  5. 骨髄・肝・腎・肺などの機能が保持されている患者さん
  6. 食事を食べられる患者さん
  7. 本人より文書にて同意が得られる患者さん

【試験に参加していただけない方の主な条件】
  1. 卵巣以外の遠隔(所属リンパ節以外のリンパ節、肝、肺、胸膜、脳、髄膜、骨など)に転移 がある患者様さん
  2. S-1またはパクリタキセルの投与禁忌患者様さん
  3. 入院加療を必要とする合併症(腸管麻痺、腸閉塞、間質性肺炎または肺線維症、コント ロールが困難な糖尿病、腎不全、肝硬変など)を有する患者さん
  4. 登録時に同時活動性の重複がんを有する患者さん
  5. S-1、パクリタキセル、ゲムシタビンアルブミン懸濁型パクリタキセルと併用できない薬を使 用している患者さん
  6. その他、試験責任医師が本試験の対象として不適切と判断した患者様さん
  7. 有効なインフォームド・コンセントを与えることが困難であると考えられる患者さん


試験のデザイン  
 


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