腎臓グループ
臨床
腎臓グループは、小児腎臓病、自己免疫性疾患、アレルギー疾患を主な対象として診療・研究・教育を行っています。腎疾患では、先天性腎・尿路系疾患、各種の腎炎症候群、ネフローゼ症候群、急性腎不全、慢性腎不全などを、自己免疫性疾患では、全身性エリテマトーデス(SLE)、若年性特発性関節炎、若年性皮膚筋炎、血管炎症候群などを、アレルギー疾患では気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの子どもたちを担当しています。加えて、消化器・膠原病内科と連携して炎症性腸疾患の診療も行っています。豊富な症例から得られた貴重な臨床知見や臨床研究の成果は、国内や海外の学会で発表され、英文での論文報告としても広く公表されています。
診療案内
火曜日 専門外来(午前)
金曜日 腎生検(午前)
その他 画像検査(超音波検査、排尿時膀胱造影、CT、MRI、シンチグラムなど)
入院、外来患者についてのカンファレンス
腎生検を実施した症例の病理組織についての検討
腎生検:主にエコーガイド下経皮的針腎生検を実施しています。年間約20例を実施しており、これまでの症例の主な病理診断は以下のとおりです。IgA腎症、紫斑病性腎炎、膜性腎症、膜性増殖性腎炎、ループス腎炎、微小変化型ネフローゼ症候群、巣状分節性糸球体硬化症、ネフロン癆、アルポート症候群、菲薄基底膜病など。
維持透析導入:小児外科、泌尿器科と連携して、腹膜透析用カテーテル挿入術を行い、腹膜透析を導入・管理しています。
体外循環血液浄化療法:泌尿器科、集中治療部(ICU)、臨床工学技士と協力して、血漿交換療法、持続的血液濾過透析、急性腎不全症例の緊急透析、難治性ネフローゼ症候群に対するLDL吸着療法、免疫疾患への免疫吸着療法などを行っています。
特殊療法:若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデスに対する生物学的製剤による治療、難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ投与を行っています。
研究
基礎的な研究としては、田中 完 博士を中心に当大学大学院医学研究科脳血管病態部門(今泉 忠淳 博士)と協力し、培養ヒトメサンギウム細胞を用いた自然免疫系(TLR3, TLR4, retinoic acid-inducible gene-I)経路を介した炎症機構の解明とその制御に関する研究、腎疾患の非侵襲的検査法の開発を目的とした尿沈渣細胞を用いた各種機能分子mRNA発現の研究を行っています。
臨床研究としては腎疾患、自己免疫性疾患のより非侵襲的かつ有効な免疫抑制療法の開発を一貫して行っています。
以上の研究の成果は国外の専門誌(NDT誌、Am J Nephrol誌、Nephron誌、Pediatr Nephrol誌、Kidney Blood Press Res誌、CEN誌、Clin Nephrol誌、Nephrology誌、Lupus誌、Clin Rheumatol誌、Mod Rheumatol誌、Pediatr Res誌、Acta Paediatr誌、Pediatr Int誌など)に継続して報告されており、内科領域を含む国内外から広く注目されています。
腎臓グループのメンバー
津川 浩二 (講師)
藤田 真司 (医員)
橋本 峻 (医員)