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教授からのメッセージ

小児科の臨床研修
弘前大学大学院医学研究科 小児科学講座 照井君典


 小児科の魅力は何と言っても将来を担う子ども達を対象としているということです。すべての子ども達が健やかに成長できるよう医師として関わることは、大変やりがいがあります。もちろん大変なこともありますが、楽しいことの方がはるかに多いです。何気ない子ども達のしぐさや言葉から自然に笑いが起こり、毎日子ども達から元気をもらっています。少子高齢化が進んでいますが、だからこそ小児科医の役割はますます大きくなっていると感じています。子どもは未来を担う存在であり、社会の宝です。その子供たちの健康と未来を支える私たちの仕事の重要性や尊さが変わることは決してありません。
 そのためには、まずは様々な年代の様々な問題に対応できる「子どもの総合診療医」を目指してもらいたいと思います。その上で、より専門的で高度な医療を担うスペシャリストへの道を進んでもらうことになります。また、大学院に進学し、研究を行い、学位を取得することも推奨しています。若いうちに研究に触れて、リサーチマインドを育むことはとても大切です。
 小児科の専門医を取得するためには、2年間の初期研修修了後、3年間の小児科専門研修を行う必要があります。弘前大学小児科では、弘前大学医学部附属病院を基幹施設として、県内外13施設の連携施設と協力して行う研修プログラムを有しています。弘前大学医学部附属病院、新生児集中治療室(NICU)を持つ連携施設A(青森県立中央病院、八戸市立市民病院、国立病院機構弘前病院)、NICUを持たない連携施設Bでそれぞれ1年ずつ研修することを基本としており、様々な疾患や症候、手技を偏りなく経験できるシステムになっています。弘前大学と関連病院の小児科では、日本血液学会専門医9名、日本小児循環器学会専門医4名、日本腎臓学会専門医8名、日本小児神経学会専門医7名、日本内分泌学会専門医1名、日本周産期・新生児医学会新生児専門医5名が専攻医の指導に当たっています。役割や規模の異なる複数の施設において、多様な指導医のもとで研修を行うことは、全人的な視点や多職種との連携が求められる小児科医にとって、大変貴重な経験になります。
 専門医取得後は、サブスペシャリティーの専門医を目指したり、ジェネラリストの道を究めたり、研究に専念したりと、色々な道があります。家庭環境や興味、考え方は人それぞれですので、できるだけ本人の希望を尊重します。また、希望に応じて国内、国外への留学も可能です。これまでに、国内では京都大学iPS研究所、東京都立小児医療センター、神奈川県立こども病院、榊原記念病院など、国外ではセントジュード小児病院、国立シンガポール大学、フィラデルフィア小児病院、ミラノ大学などへの留学の実績があります。勤務先や留学の調整にあたっては透明性を重視していますので、偏りのないメンバーで構成される委員会での議論を経て決定される体制になっています。
 女性医師の割合が大きいのも小児科の特徴です。小児科は保護者、特に母親とのコミュニケーションを大切にしていますので、女性を取り巻く環境や苦労についてもよく理解しています。女性医師が安心して妊娠、出産、子育てができるよう支援するのはもちろん、男性医師の育児参加など、それぞれの医師の多様性を尊重した支援を行います。そして、それぞれの医師の個性や希望に応じたキャリアを積むことができるよう支援します。この10年間で新たに当講座に加わってくれた医師の数は平均4~5人/年で、以前よりも青森県とその周辺地域の小児科医の数は増えてきました。しかし、すべての小児科医が、妊娠、出産、育児、介護などを行いながら安心して働くにはまだ十分とはいえません。小児科に興味のある学生さんがいらっしゃいましたら、気軽に声を掛けていただければと思います。豊かな自然に囲まれたこの地で、子ども達の未来のために一緒にがんばりましょう。

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