抗がん剤感受性試験導入

我々は日常、消化器癌の治療に従事しています。しかしながら消化器外科領域の悪性新生物疾患の増加に伴い、進行癌も増加傾向にあり、これら悪性疾患の多くは根治的な治療法が現時点では確立されていないものも多く認められます。また残念ながら、本県の消化器癌での死亡率は全国でも最低ランクに留まっているのが現状です。よって手術治療(局所治療)の技術向上と共に、抗癌剤治療(全身治療)の向上を図ることも重要だと考えています。そこで、当科では2008年12月より治験の形で当院薬剤部と協同で消化器癌の抗癌剤感受性試験を開始しています。当科ではMTT法を応用したHDRA法を用いています。実際には、手術によって摘出された検体の一部を抗癌剤と1週間培養し、MTT液と反応を吸光光度計で判定します。これらの結果が今後の癌治療に貢献できればと考えています。

助教 丸山 将輝 Akiteru MARUYAMA